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文献詳細

雑誌文献

臨床皮膚科70巻7号

2016年06月発行

文献概要

症例報告

急性汎発性発疹性膿疱症を合併した劇症型A群溶血性連鎖球菌感染症の1例

著者: 田浦麻衣子1 安見真希1 在田貴裕1 金久史尚1 張財源1 浅井純1 加藤則人1

所属機関: 1京都府立医科大学大学院医学研究科皮膚科学

ページ範囲:P.487 - P.492

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要約 62歳,女性.右下腿の蜂窩織炎として近医で抗生剤治療をされていたが,症状が増悪し,壊死性筋膜炎を疑われたため当院に救急搬送された.初診時,右下肢の紫斑と水疱,血疱,全身に小膿疱を伴うびまん性紅斑を認め,劇症型A群溶血性連鎖球菌感染症(toxic shock-like syndrome:TSLS)を疑った.緊急デブリドマンを施行し,抗生剤の点滴治療を開始したところ全身状態は速やかに改善した.しかし,全身の紅斑と膿疱は遷延し,薬疹を疑って抗生剤を変更したところ紅斑は消退し,経過からは急性汎発性発疹性膿疱症(acute generalized exanthematous pustulosis:AGEP)が疑われた.本症例は,TSLSとAGEPの両方の診断基準を満たし,TSLSに対して使用した抗生剤でAGEPが続発したと考えられた.

参考文献

1) 瀧川雅浩,他:皮膚疾患最新の治療2013-2014,南江堂,p163, 2013
2) 清水忠道:日皮会誌 121:1051, 2011
3) 清水可方,他:感染症誌 72:258, 1998
4) 宇宿一成,他:西日皮膚 62:727, 2000
5) 宇宿一成:西日皮膚 68:387, 2006
6) 影山 恵,他:日皮アレルギー会誌 1:195, 1993
7) 山本篤志,他:皮の科 8:546, 2009
8) 堀田隆之,他:皮膚臨床 44:1405, 2002
9) 沢田泰之:日皮会誌 124:1725, 2014

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1324

印刷版ISSN:0021-4973

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