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文献詳細

雑誌文献

臨床皮膚科70巻7号

2016年06月発行

文献概要

症例報告

イミキモドクリーム外用が有効であった乳房外Paget病の1例

著者: 龍神操1 伊東可寛1 五味博子1 山﨑一人2 石田康生2 早川和人1

所属機関: 1帝京大学ちば総合医療センター皮膚科 2帝京ちば総合医療センター病理部

ページ範囲:P.525 - P.529

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要約 71歳,女性.外陰部の紅斑を主訴に当科を受診した.皮膚生検で,組織学的所見より乳房外Paget病と診断した.当初手術療法を予定したが本人の同意を得られず,イミキモドクリーム外用療法を選択した.イミキモドクリームは週3回,計8週間外用した.外用部にびらん・疼痛を認めたが,いずれも自制範囲内であった.また,外用開始1週間後より外用日に一致して38℃の発熱がみられたが非外用日には自然に解熱した.治療終了1か月後には臨床所見上病変はほぼ完全に消褪した.3か月後に小陰唇付近に残存していたびらんから皮膚生検を実施したが,Paget細胞は確認されなかった.治療終了から16か月が経過した現在も再発を認めない.自験例は乳房外Paget病に対するイミキモド外用の有効例であるが,今後も注意深く経過観察を継続する.

参考文献

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掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1324

印刷版ISSN:0021-4973

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