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文献詳細

雑誌文献

臨床皮膚科70巻8号

2016年07月発行

文献概要

症例報告

糖尿病でステロイドの外用を行っていた患者にみられた汎発性皮膚カンジダ症の1例

著者: 澤田宏子12 二宮淳也13 長瀬早苗1 尾立冬樹2 石崎純子3

所属機関: 1ながせ皮フ科 2立川相互病院皮膚科 3東京女子医科大学東医療センター皮膚科

ページ範囲:P.621 - P.625

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要約 46歳,女性.教師.160cm,85kg.初診1か月前より体幹部に皮疹が出現した.前医にてステロイド外用剤を処方されるも改善乏しく当科を受診した.肩から胸部,肘窩,背部に,瘙痒を伴う膿疱を混じた膜様の鱗屑を伴う小型紅斑が多発しており,検鏡にて仮性菌糸と胞子の集塊を確認した.真菌培養検査にてCandida albicansを同定し,また臨床検査にて血糖とHbA1cの異常高値を認めた.イトラコナゾール1日100mg内服6週間で皮疹は消退した.いままで糖尿病を指摘されたことはなく,今回重篤な糖尿病が放置されていたことで免疫力低下を呈し,過剰な発汗という環境要因が重なって皮膚カンジダ症の汎発化を招いたと考えられた.

参考文献

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11) 二宮淳也,他:真菌誌 41:27, 2000

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1324

印刷版ISSN:0021-4973

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