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文献詳細

雑誌文献

臨床皮膚科70巻9号

2016年08月発行

症例報告

トシリズマブによりステロイド減量しえた重症成人Still病の1例

著者: 清水理惠1 佐野信也1 松澤高光1 猪爪隆史1 川村龍吉1 島田眞路1

所属機関: 1山梨大学医学部皮膚科学講座

ページ範囲:P.659 - P.663

文献概要

要約 50歳,女性.B型肝炎の既往あり.発熱,関節痛,咽頭痛,サーモンピンクの蕁麻疹様紅斑が出現し,白血球増多,炎症反応高値,肝機能障害,高フェリチン血症を認め,抗核抗体陰性,リウマトイド因子陰性であったことから成人発症Still病(adult onset Still's disease:AOSD)と診断した.プレドニゾロン40mg/日とシクロスポリン(200mg/日)併用療法に反応なく,ステロイドパルス療法後にプレドニゾロン60mg/日投与としたところデータ,症状は軽快した.しかしプレドニゾロン25mg/日まで漸減したところで繰り返し高熱が出現,高度な高フェリチン血症等をきたしたため,再度ステロイドパルス療法を実施した.以後プレドニゾロンを40mg/日に漸減するまでは血漿交換療法を,それ以降の漸減過程ではトシリズマブを併用した.トシリズマブ併用後は著明な軽快傾向を示した.本症例はステロイド減量に難渋するAOSDに対するトシリズマブ併用の有効性を示唆すると考えられる.

参考文献

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掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1324

印刷版ISSN:0021-4973

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