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文献詳細

雑誌文献

臨床皮膚科70巻9号

2016年08月発行

文献概要

症例報告

点状集簇性母斑様の特異な臨床像を呈したミノサイクリン塩酸塩による色素沈着症の1例

著者: 野崎尋意1 澁谷貴史1 土井春樹1 堀仁子1 本間大1 山本明美1 松尾忍2

所属機関: 1旭川医科大学皮膚科学講座 2旭川市

ページ範囲:P.675 - P.678

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要約 58歳,男性に生じたミノサイクリン塩酸塩による色素沈着症を経験した.再燃を繰り返す尋常性痤瘡に対して,断続的ではあるが,長期間のミノサイクリン塩酸塩内服歴(計15年,総投与量191.6g)があった.右下腿伸側に点状黒色色素斑が集簇し比較的規則的に配列していたため点状集簇性母斑などのメラノサイト病変との鑑別を要した.自験例の特異な臨床像は,慢性色素性紫斑,特に周辺に点状紫斑を伴うSchamberg病のような病態が前駆し,これにミノサイクリン塩酸塩による色素沈着が生じることで形成されたのではないかと推定した.

参考文献

1) Basler RSW:Arch Dermatol 121:606, 1985
2) Mouton RW, et al:Clin Exp Dermatol 29:8, 2004
3) Dwyer CM, et al:Br J Dermatol 129:158, 1993
4) 斎田俊明,他(編):カラーアトラスDermoscopy,1版,金原出版,p54, 2003
5) Singh S, et al:Pediatr Dermatol 30:100, 2013
6) 玉置邦彦,他(編):最新皮膚科学大系,1版,4巻,中山書店,p104, 2003

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1324

印刷版ISSN:0021-4973

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