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文献詳細

雑誌文献

臨床皮膚科71巻1号

2017年01月発行

今月の症例

液体窒素療法を施行されていた疣状型スポロトリコーシスの1例

著者: 佐藤美聡1 種本紗枝1 西尾有紀子1 稲積豊子1 矢口貴志2 佐藤友隆3

所属機関: 1国家公務員共済組合連合会立川病院皮膚科 2千葉大学真菌医学研究センター 3北里大学北里研究所病院皮膚科

ページ範囲:P.13 - P.18

文献概要

要約 88歳,女性.初診の数年前より左手背に皮疹が出現し,増加した.近医で液体窒素療法を繰り返し施行されたが局面が残存したため受診した.初診時,前腕や手背,指関節,指腹部に疣状の角化性紅色局面を認めた.Sabouraudブドウ糖寒天培地にて中央が褐色で周囲は白色の放射状皺襞を有するコロニーが形成され,スライド培養で円形の分生子が花弁状に付着した有隔菌糸を認めた.病理組織所見,培養結果よりスポロトリコーシスと診断し,テルビナフィン内服と温熱療法の併用により約5か月で略治した.難治性の疣状局面を認めた際はスポロトリコーシスも鑑別に挙げ,生検および培養を施行すべきと考えた.

参考文献

1) 玉置邦彦,他:最新皮膚科学体系,14巻,中山書店,p267, 2003
2) 真崎治行,他:西日皮膚 52:462, 1990
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10) 北見由季,他:皮膚臨床 53:562, 2011

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1324

印刷版ISSN:0021-4973

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