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文献詳細

雑誌文献

臨床皮膚科71巻1号

2017年01月発行

文献概要

症例報告

ミノサイクリン塩酸塩が誘因と考えられたWells症候群の1例

著者: 澤田匡秀1 栁澤健二1 加賀谷真起子1 高橋博之1 三浦貴子2

所属機関: 1JA北海道厚生連札幌厚生病院皮膚科 2三浦俊祐貴子皮膚科

ページ範囲:P.19 - P.22

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要約 34歳,女性.初診2週間前に鼠径部毛包炎に対して近医よりミノサイクリン塩酸塩の投薬を受けた後,項部に比較的境界明瞭な連圏状の有痛性浮腫性紫紅色斑が出現した.ステロイド外用,抗ヒスタミン薬内服治療したが増悪したために前医より当科に紹介された.皮疹と経過より固定薬疹を疑いプレドニゾロン20mg/日内服し軽快したが,内服中止後皮疹が再燃した.病理組織学的には表皮にメラニン色素の増生以外著変なく,真皮上層にメラノファージと好酸球主体の炎症細胞浸潤およびflame figureを認めたためWells症候群と診断し,プレドニゾロンを再投与した後,漸減しながら経過観察している.Wells症候群の一誘因として薬剤が報告されているが,薬剤中止後も再燃を繰り返すことからアレルゲンとして作用するよりは発症の引き金としての役割を担っている可能性が考えられた.

参考文献

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掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1324

印刷版ISSN:0021-4973

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