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文献詳細

雑誌文献

臨床皮膚科71巻1号

2017年01月発行

文献概要

症例報告

初回出現エピソードの皮疹に対しPUVA療法が奏効したリンパ腫様丘疹症の1例

著者: 星野友美1 小粥雅明1 戸倉新樹2

所属機関: 1聖隷浜松病院皮膚科 2浜松医科大学皮膚科学講座

ページ範囲:P.65 - P.69

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要約 35歳,女性.初診数日前より,両上肢および胸腹部に長径4mmまでの瘙痒性紅色丘疹が多発した.皮膚生検病理組織像では,真皮浅層から深層にかけて血管周囲および膠原線維間に細胞浸潤を認めた.浸潤細胞の多くは大型の異型リンパ球と小型のリンパ球から成り,好中球と好酸球も少数混じていた.大型細胞は胞体が豊かで核小体が顕著であり,一部では核分裂像を認めた.大型細胞はCD3,CD4,CD30陽性であった.全身の画像検査で異常所見はなかった.丘疹の出没を繰り返すという病歴はなく,初回の皮疹出現ではあるが,リンパ腫様丘疹症と診断した.外用PUVA療法を開始し,速やかに皮疹の新生は止まり消退した.以後7か月を経過しているが皮疹の再発はない.近年,光線療法の主流はナローバンドUVBであるが,深層の浸潤を有するリンパ腫様丘疹症ではPUVA療法が有効であることを示すとともに,同症での初期治療としてのPUVA療法の有効性が示唆された.

参考文献

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9) Tokura Y, et al:Ann NY Acad Sci 941:185, 2001

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1324

印刷版ISSN:0021-4973

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