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文献詳細

雑誌文献

臨床皮膚科71巻1号

2017年01月発行

症例報告

両側前腕に病変が多発したブルーリ潰瘍の1例

著者: 三井田博1 三輪仁2 池滝勝史3 石井則久4 中永和枝4

所属機関: 1新潟県立新発田病院皮膚科 2新潟県立新発田病院整形外科 3新発田皮フ科 4国立感染症研究所ハンセン病研究センター

ページ範囲:P.71 - P.76

文献概要

要約 72歳,女性.初診の2か月前より右前腕に自覚症状のない膿疱,紅斑が出現し徐々に増大し,皮下結節が多発,潰瘍を形成し,さらに左前腕にも紅色皮下結節が出現した.右前腕の尺骨側に潰瘍を伴う手拳大の淡紅色局面と,その周囲と右手関節部に母指頭大前後の紅色皮下結節を複数認めた.左前腕屈側にも母指頭大の淡紅色皮下結節が1個みられた.病理組織学的所見,Ziehl-Neelsen染色所見,PCR所見よりブルーリ潰瘍と診断した.リファンピシン,クラリスロマイシン,レボフロキサシンを開始したうえで,病変を切除した.一般的に病変を切除する際は病変より2〜5cm離して切除することが推奨されているが,自験例のように病変が多発している場合,広範囲に切除すると侵襲が大きくなるため,切除範囲は個々の症例によって検討すべきと思われた.

参考文献

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11) Miyamoto Y, et al:J Dermatol 41:771, 2014

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1324

印刷版ISSN:0021-4973

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