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文献詳細

雑誌文献

臨床皮膚科71巻10号

2017年09月発行

文献概要

症例報告

血栓性微小血管障害を合併した全身性エリテマトーデスの1例

著者: 岡愛菜1 土岐清香1 関口明子1 石渕裕久1 青山久美1 山中正義1 石川治1

所属機関: 1群馬大学大学院医学系研究科皮膚科学

ページ範囲:P.777 - P.782

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要約 67歳,女性.1984年にSLEと診断され,近年はプレドニゾロン(PSL)2.5mg/日内服で病勢は落ち着いていた.2015年1月から微熱,倦怠感,浮腫,動悸,息切れが出現,近医で間質性肺炎と心囊液貯留を指摘され4月に当科入院した.PSL 40mg/日で治療を開始したが,30mg/日減量時に漿膜炎再燃と血小板減少が出現した.mPSL 1gパルス後も血小板数は改善なく,破砕赤血球を伴う溶血性貧血を認めたことから血栓性微小血管障害(thrombotic microangiopathy:TMA)と診断した.新鮮凍結血漿輸注と血漿交換,mPSL 1gパルスを行ったが改善しなかった.シクロホスファミドパルス(intravenous cyclophosphamide:IVCY)を行ったところ血小板数の回復を認めたが,虚血性心疾患を発症し第58病日に永眠した.TMAの標準治療は血漿交換であるが,膠原病に生じるTMAでは治療抵抗例が多く,治療抵抗性と判断した場合,速やかにIVCYやリツキシマブ投与を行う必要があると考えた.

参考文献

1) Moschcowitz E:Arch Intern Med 36:89, 1925
2) 桑名正隆:Medical Practice 28:1207, 2011
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4) 菅原恵理:血栓止血誌 25:720, 2014
5) Scully M, et al:Br J Haematol 136:451, 2006
6) 宮川義隆:日内会誌 103:1654, 2015
7) 柳町麻衣美:慈恵医大誌 126:11, 2011

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1324

印刷版ISSN:0021-4973

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