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症例報告
表皮内汗管を介して表皮との連続性を認めたエクリン型皮膚混合腫瘍の1例
著者: 崎山とも1 布袋祐子1
所属機関: 1荻窪病院皮膚科
ページ範囲:P.787 - P.791
文献購入ページに移動要約 29歳,女性.2,3年前より後頭部に皮内結節が出現し,当科を受診した.初診時,ドーム状に隆起した1cm径の淡紅色皮内結節があり,病理組織では表皮内汗管を介して表皮と連続して皮下組織にかけて,境界明瞭で線維性被膜に覆われた腫瘍塊がみられた.内部には明らかな断頭分泌を伴わない小型の管腔構造が増生し,軟骨基質,粘液性間質,線維性間質も伴っていたことから,エクリン型皮膚混合腫瘍と診断した.皮膚混合腫瘍の中でもエクリン型は稀であり,また自験例のように表皮との連続性を認める症例は,本邦論文報告例や海外のエクリン型皮膚混合腫瘍50例を検討した報告でも認めなかった.表皮内汗管との連続性を認めた点も,エクリン型皮膚混合腫瘍が汗器官より発生した腫瘍であることを明確に示す所見として重要であると考えられたため,報告した.
参考文献
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