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文献詳細

雑誌文献

臨床皮膚科71巻11号

2017年10月発行

文献概要

症例報告

糖尿病性動脈硬化症に合併したBazin硬結性紅斑の1例

著者: 赤芝知己1 根岸亜津佐1 長晃平2 岩本正照3 石河晃4 岩渕千雅子1

所属機関: 1日産厚生会玉川病院皮膚科 2日産厚生会玉川病院呼吸器内科 3日産厚生会玉川病院糖尿病内科 4東邦大学医学部皮膚科学講座(大森)

ページ範囲:P.869 - P.874

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要約 51歳,男性.25年前に肺結核の既往あり,1型糖尿病を合併していた.数か月前より左足背に紅斑が出現した.前医にて蜂窩織炎と診断され,抗菌薬加療されたが,紅斑は拡大し,潰瘍化したため当科を紹介され受診した.初診時,左足背に圧痛を伴うびまん性の発赤腫脹と黒色壊死組織を伴う潰瘍を認め,下腿には皮下硬結を伴う紅斑が散在していた.CT angiographyでは脛骨・腓骨動脈に閉塞を認め,閉塞性動脈硬化症(arteriosclerosis obliterans:ASO)を合併していた.左下腿紅斑の病理組織像は小葉性脂肪織炎,乾酪壊死を伴う類上皮細胞性肉芽腫と血管炎を認めた.活動性の肺病変はなかったが,ツベルクリン反応は強陽性,T-SPOT®陽性から,ASOの合併のため重症化したBazin硬結性紅斑と診断した.抗結核薬4剤とプレドニゾロン,アルプロスタジルの投与にて潰瘍は上皮化し略治した.Bazin硬結性紅斑では,正確な病態の把握と必要に応じた適切な追加治療が重要であると考えた.

参考文献

1) Bazin E:Leçons théoriques et cliniques sur la scrofule. 2nd ed, Paris:A. Delahye:p146, 1861
2) Darier MJ:Ann Dermatol Syphyligr(Paris) 7:1431, 1896
3) 神崎美玲,他:皮膚病診療 36:31, 2014
4) 日本結核病学会(編):結核診療ガイドライン,改定第3版,南江堂,p79, 2015
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6) Segura S, et al:J Am Acad Dermatol 59:839, 2008
7) 田中倫子,他:臨床眼科 60:1901, 2006
8) 宮本樹里亜,他:皮膚病診療 30:1361, 2008
9) De Silva HJ, et al:Postgrad Med J 64:242, 1988

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1324

印刷版ISSN:0021-4973

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