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文献詳細

雑誌文献

臨床皮膚科71巻12号

2017年11月発行

原著

過去20年間に金沢大学皮膚科で経験した転移性皮膚腫瘍86例の臨床的検討

著者: 大石京介1 小林忠弘1 前田進太郎1 平野貴士1 石井貴之1 濱口儒人1 竹原和彦1

所属機関: 1金沢大学医薬保健研究域医学系皮膚分子病態学

ページ範囲:P.951 - P.956

文献概要

要約 1992〜2011年の20年間に当科で病理組織学的に診断しえた転移性皮膚腫瘍86例について,原発腫瘍の種類,部位,大きさ,臨床像,病理組織像,他臓器転移の部位,皮膚転移出現後の予後について検討した.原発腫瘍は,男性では肺癌(13例,32%),咽頭・喉頭癌(6例,15%),食道癌(5例,12%)の順に,女性では乳癌(31例,67%),肺癌(3例,7%),子宮癌(3例,7%)の順に多かった.原発巣の診断から皮膚転移出現までの期間と,皮膚転移出現から死亡までの期間はいずれも男性に比べ女性で有意に長かった.皮膚転移巣の診断を契機に原発巣の診断に至った症例が3例あった.症例数は少ないながら皮膚転移巣を契機に原発巣が診断される症例があること,皮膚転移巣を診断することで予後の推測に役立つと考えられることから,皮膚転移巣の早期発見・診断は重要と考えられた.

参考文献

1) 下田祥由,他:皮膚臨床 26:463, 1984
2) 堀  真,他:西日皮膚 49:304, 1987
3) 丸田耕司,他:西日皮膚 63:42, 2001
4) 古賀文二,他:日皮会誌 120:2213, 2010
5) 藤岡 彰,他:西日皮膚 60:681, 1998
6) Brownstein MH, et al:Arch Dermatol 105:862, 1972

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1324

印刷版ISSN:0021-4973

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