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文献詳細

雑誌文献

臨床皮膚科71巻12号

2017年11月発行

文献概要

症例報告

多発単神経炎に対して免疫グロブリン大量静注療法が奏効した好酸球性多発血管炎性肉芽腫症の疑い例

著者: 高嶋渉1 徳力篤1 齋藤敦子2 長谷川稔1

所属機関: 1福井大学医学部皮膚科学 2齋藤医院

ページ範囲:P.972 - P.975

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要約 65歳,女性.喘息などのアレルギー疾患の既往はない.2か月前より両下腿にかゆみの強い浮腫性紅斑や紫斑が出現した.初診時は,両下腿に浸潤を触れない紫斑が散在していた.初診の2週後,発熱,両下肢の痺れが出現し,歩行困難となった.大腿の紫斑の病理組織像で,真皮小血管に好酸球浸潤を伴う白血球破砕性血管炎を認めた.末梢血好酸球増加はみられなかった.血管炎の診断にてプレドニゾロン1mg/kg/日の内服を開始して発熱と皮疹は速やかに消失したが,下肢の痺れは持続した.このため,免疫グロブリン大量静注療法を追加したところ,痺れの著明な改善を認めた.Chapel Hill Consensus Conference 2012による血管炎の定義には合致しないが,好酸球性多発血管炎性肉芽腫症に近い病態と考えられた.

参考文献

1) Jennette JC, et al:Arthritis Rheum 65:1, 2013
2) Chen KR, et al:J Am Acad Dermatol 35:173, 1996
3) Koike H, Sobue G:Clin Exp Nephrol 17:683, 2013
4) Hartung HP:J Neurol 255(Suppl 3):3, 2008
5) Koike H, et al:J Neurol 262:752, 2015

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1324

印刷版ISSN:0021-4973

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