icon fsr

文献詳細

雑誌文献

臨床皮膚科71巻12号

2017年11月発行

文献概要

症例報告

腹筋麻痺を生じた帯状疱疹の1例—本邦報告例の文献的検討

著者: 長谷川道子1 田村敦志1

所属機関: 1伊勢崎市民病院皮膚科

ページ範囲:P.1017 - P.1020

文献購入ページに移動
要約 69歳,男性.右腹部に紅色皮疹が出現し,7日後に右腹部の膨隆に気づいた.近医で帯状疱疹と診断され,バラシクロビル3,000mg/日内服で加療され,腹部膨隆について当科を紹介された.右Th10〜11領域に痂皮を伴う紅斑が帯状に配列し,Th9〜11領域で腹壁の膨隆を認めた.腹部CT所見で右側の外腹斜筋と内腹斜筋が左側に比べ伸展し菲薄化しており,帯状疱疹に伴う腹筋麻痺と診断した.帯状疱疹関連疼痛やイレウス症状がないため筋力トレーニングを行い,約6か月で腹部膨隆は軽快した.帯状疱疹に伴う運動麻痺は稀な合併症である.過去37年間の本邦報告例を検討したところ,78%で改善を認め,予後は比較的良好であった.

参考文献

1) 島田長人,他:日本医事新報 4356:53, 2007
2) 島田長人,他:日臨皮会誌 28:449, 2011
3) 曽我部陽子,他:臨皮 57:1024, 2003
4) 奥野奈央,他:皮膚病診療 33:1149, 2011
5) 高橋貞就,他:臨床麻酔 9:433, 1985
6) 山上裕章,他:ペインクリニック 8:637, 1987
7) Thomas JE, Howard FM Jr:Neurology 22:459, 1972
8) 森 槙子,他:皮膚臨床 57:378, 2015
9) 坪内香澄,他:皮膚臨床 57:374, 2015
10) Chernev I, Dado D:PM R 5:786, 2013
11) 岩瀬教子,他:臨皮 45:317, 1991
12) 堀田隆之,他:臨皮 57:1191, 2003

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1324

印刷版ISSN:0021-4973

雑誌購入ページに移動
icon up
あなたは医療従事者ですか?