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文献詳細

雑誌文献

臨床皮膚科71巻13号

2017年12月発行

症例報告

マツタケ摂取後に入浴しアレルギー症状が増悪したアナフィラキシーの1例

著者: 東田理恵1 清水奈美1 岡林綾1 中川浩一1

所属機関: 1済生会富田林病院皮膚科

ページ範囲:P.1052 - P.1054

文献概要

要約 22歳,女性.夕食時,焼マツタケ,カツオのたたき,アジの刺身を食べた.夕食直後に,口腔内のしびれ,咽頭部違和感,嚥下痛が出現した.その後入浴していると,全身に発疹が出現した.救急措置を受けて回復したが,精査目的で当科を受診した.生の各食品を用いた,プリック・プリックテストはすべて陰性であった.そこで,各食品を生理食塩水の中ですり潰し,抽出した上澄み液を用いたプリックテスト,スクラッチテストを施行した.マツタケの抽出液のスクラッチテストのみが陽性となり,自験例をマツタケによるアナフィラキシーと診断した.過去に11例のマツタケアレルギーの症例が報告されているがマツタケ摂取後に入浴し,アナフィラキシーを生じたのは自験例のみであった.入浴が運動誘発のように症状を増悪させることを改めて認識した.

参考文献

1) 石川博康,他:臨皮 60:885, 2006
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6) 天野彰人,他:アレルギー 52:444, 2003
7) Okano M & Sakuma Y:Br J Dermatol 136:805, 1997

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1324

印刷版ISSN:0021-4973

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