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文献詳細

雑誌文献

臨床皮膚科71巻13号

2017年12月発行

症例報告

リツキシマブ単独投与が有効であったと考えられたメトトレキサート関連リンパ増殖性疾患の1例

著者: 天野愛純香1 仁熊利之1

所属機関: 1国立病院機構東広島医療センター皮膚科

ページ範囲:P.1087 - P.1092

文献概要

要約 68歳,女性.初診7年前より関節リウマチに対し,メトトレキサート(MTX)投与を受けていた.初診8か月前より下肢を中心に痂皮を伴う結節が出現し,徐々に増加した.左下腿に蜂窩織炎を発症したため前医に入院し,MTXを中止の上,抗菌薬治療を行われた.経過中,硬膜外膿瘍を合併したため当院神経内科へ転院となり,皮膚病変に関して当科を紹介受診した.四肢に大豆大までの結節が散在しており,左下腿には皮膚潰瘍を伴っていた.血液検査では可溶性IL-2レセプター(sIL-2R),血中Epstein-Barr(EB)ウイルスDNA値が軽度上昇していた.病理組織像ではCD20陽性B細胞を認め,in situ hybridizationではCD20陽性B細胞にほぼ一致してEBER陽性であった.以上よりメトトレキサート関連リンパ増殖性疾患と診断した.MTX中止後も皮疹の改善に乏しく,MTX中止後6週目にリツキシマブ単独投与を開始し,計4クール施行した.リツキシマブ投与後,潰瘍は縮小,結節も消退し,EBウイルスDNA値も正常範囲内に復した.

参考文献

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掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1324

印刷版ISSN:0021-4973

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