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文献詳細

雑誌文献

臨床皮膚科71巻2号

2017年02月発行

文献概要

症例報告

ATP2C1遺伝子に変異を同定したHailey-Hailey病の1例

著者: 重原庸哉1 下村裕1 奥田長三郎2 阿部理一郎1

所属機関: 1新潟大学大学院医歯学総合研究科皮膚科学分野 2奥田皮膚科クリニック

ページ範囲:P.137 - P.140

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要約 66歳,女性.約5年前から夏期に増悪する再発性の紅斑,びらんを両腋窩に認めた.近医で湿疹と診断されstrongクラスのステロイドを外用していたが,症状を繰り返すため,精査目的に当科を紹介され受診した.患者の父親にも同様の皮膚症状を認めた.皮膚生検組織では,表皮内の裂隙形成と表皮角化細胞の棘融解を認めた.患者の末梢血DNAを用いて遺伝子解析を施行した結果,ATP2C1遺伝子に既知のナンセンス変異をヘテロで同定した.以上より,家族性良性慢性天疱瘡(Hailey-Hailey病)と診断した.間擦部に再発性の紅斑,びらんを繰り返す症例では同症を考える必要がある.

参考文献

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8) Borghi A, et al:Int J Dermatol 54:543, 2015

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1324

印刷版ISSN:0021-4973

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