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文献詳細

雑誌文献

臨床皮膚科71巻2号

2017年02月発行

文献概要

症例報告

関節の可動域制限を伴ったmorphea profundaの2例

著者: 氏野由理1 中尾将治1 筒井清広1 西尾賢昭2

所属機関: 1石川県立中央病院皮膚科 2皮フ科西尾クリニック

ページ範囲:P.141 - P.146

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要約 症例1:87歳,男性.左足関節を捻挫後,左下腿の浮腫・腫脹・熱感があり,左下腿内側〜外側に皮下硬結が出現した.症例2:66歳,男性.左前腕に限局性強皮症の既往がある.左下腿上1/2に板状硬結がある.両者とも足関節の可動域制限を伴い,末梢血好酸球増多はみられず,抗核抗体・抗ssDNA抗体などの特異抗体は陰性であった.病理組織では皮下脂肪織の隔壁の肥厚と炎症を認め,MRIで同部位に異常高信号がみられた.2例ともプレドニゾロン30mg/日の内服で皮膚症状・関節症状とも軽快し,症例1ではMRIの異常高信号が消退した.症例2はプレドニゾロンを中止後6か月で,両前腕に同様の皮下硬結が再発し両手関節の背屈制限を認めた.診断・治療効果判定にMRIが有用であった.

参考文献

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11) 菊池かな子,他:皮膚臨床 31:1607, 1989

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1324

印刷版ISSN:0021-4973

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