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文献詳細

雑誌文献

臨床皮膚科71巻2号

2017年02月発行

文献概要

症例報告

Superficial acral fibromyxomaの1例

著者: 水口将志1 藤本典宏1 多島新吾2 佐藤貴浩1

所属機関: 1防衛医科大学校皮膚科学講座 2並木病院皮膚科

ページ範囲:P.157 - P.160

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要約 40歳,男性.約1年前より徐々に右環指爪甲が変形してきたため来院した.右環指爪甲の中央が隆起して亀裂を伴っており,わずかに圧痛を認めた.抜爪すると,爪床下に軽度隆起する径5mm大の小結節を認め,爪床皮膚とともに全摘した.組織学的には真皮浅層から深層にかけて,線維性の間質を背景に紡錘形細胞が束状に増殖していた.異型性や核分裂像は認められなかった.腫瘍細胞はCD34およびビメンチンに陽性であり,superficial acral fibromyxomaと診断した.自験例は間質のほとんどが線維性であるcellular variantであった.指趾に発生した腫瘍の鑑別として稀ではあるが本腫瘍も考慮すべきである.

参考文献

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掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1324

印刷版ISSN:0021-4973

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