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文献詳細

雑誌文献

臨床皮膚科71巻3号

2017年03月発行

症例報告

粘膜病変が著明であったオキサトミドによる固定薬疹の1例

著者: 權守隆1 嶋岡弥生1 濱崎洋一郎1 籏持淳1

所属機関: 1獨協医科大学皮膚科学教室

ページ範囲:P.206 - P.210

文献概要

要約 49歳,女性.花粉症に対して日頃からエバスチンを内服していたが,数年ぶりにオキサトミドを内服した.その約5時間後から,下口唇(白唇部含む),口腔内,外陰部に違和感を自覚した.翌日から同部位に有痛性の紅斑,びらんが出現し,徐々に増悪した.発熱はなかったが,粘膜病変が著しかったので,入院のうえプレドニゾロン40mg(0.6mg/kg)を全身投与した.薬剤リンパ球刺激試験は陰性.パッチテストは皮疹部(下白唇部)で陽性,無疹部(上腕内側)で陰性であった.内服誘発試験も陽性となり,オキサトミドによる固定薬疹と診断した.抗ヒスタミン薬による粘膜病変が著明であった固定薬疹の報告は,われわれが調べえた限りでは皆無であった.また,自験例の経験を通じて,抗ヒスタミン薬も薬疹の被疑薬となりうることを再確認させられた.

参考文献

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掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1324

印刷版ISSN:0021-4973

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