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文献詳細

雑誌文献

臨床皮膚科71巻3号

2017年03月発行

文献概要

症例報告

頸部皮膚に発生した気管支原性囊胞の1例

著者: 入江浩之1 八木洋輔1 一ノ名晶美1 中島利栄子1 高瀬早和子1 太田深雪1 立花隆夫1

所属機関: 1大阪赤十字病院皮膚科

ページ範囲:P.234 - P.238

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要約 29歳,女性.出生時より頸部正中やや左側に小腫瘤を認めていた.2014年11月末頃より腫瘤の腫脹,疼痛が出現したため当科を受診した.甲状舌管囊胞などを疑いMRI検査を行ったが,舌骨あるいは近隣組織との瘻孔や索状物などを示唆する所見はなく,皮膚〜皮下脂肪組織内の腫瘍であった.局所麻酔下で摘出したところ,囊胞壁は多列線毛円柱上皮で構成され,平滑筋成分を伴っていたことから気管支原性囊胞と診断した.気管支原性囊胞が皮膚に生じることは稀であるが,他の先天性頸部腫瘍と同様に近接組織との瘻孔や索状物などが存在することがあり注意が必要である.

参考文献

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掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1324

印刷版ISSN:0021-4973

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