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文献詳細

雑誌文献

臨床皮膚科71巻4号

2017年04月発行

文献概要

マイオピニオン

皮膚疾患のトータルマネージメントとその問題点

著者: 赤坂俊英12

所属機関: 1岩手医科大学 2北上済生会病院皮膚科

ページ範囲:P.290 - P.291

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 1. 疾患のトータルマネージメント
 近年,さまざまな疾患の治療と管理について「トータルマネージメント」という言葉が用いられる.この意味は,①生物製剤など薬物療法にも幅が広がり,疾患によっては手術療法や放射線療法など,その患者の重症度や場合によっては患者の希望により治療薬剤や治療法を選択すること,②薬物療法には薬剤師,食事には管理栄養士,リハビリテーションが必要なときは理学あるいは作業療法士など医療現場において医師や看護師だけでなく,パラメディカルのさまざまな職種が連携したチーム医療で患者の治療にあたること,③治療手段だけではなく,基礎療法といわれる疾患とその治療を患者に正しく受け入れてもらうための教育と指導,さらには退院後の日常生活のケアを含んだ多面的なアプローチをもって治療継続と疾患の再発あるいは増悪を防ぐことである.退院後も患者が安心して治療を継続し,生活の質を向上できるように,訪問診療や訪問看護,在宅指導などを行い,地域医療機関やケアマネージャー,そして市町村さらには患者の家族との連携が欠かせないことも意味する.
 例えば関節リウマチでは薬物療法や手術療法,リハビリテーション医師,看護師にとどまらず,訪問看護師,薬剤師,理学療法士,作業療法士などと協調して患者の治療にあたる.また,関節リウマチは全身性疾患であり,また病態が多様であるため,感染症や合併症の悪化,薬剤の副作用発症など,入院設備の整った医療機関との連携も必要で,同時に,整形外科や呼吸器科,皮膚科,消化器科との連携も重要である.治療や日常生活の援助だけでなく,個人の能力に合わせた装具など,患者の生活の質の改善を目指す集学的治療が必要になる.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1324

印刷版ISSN:0021-4973

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