icon fsr

文献詳細

雑誌文献

臨床皮膚科71巻4号

2017年04月発行

文献概要

症例報告

アートメイクにより皮膚サルコイド反応が多発してみられ肺門リンパ節が腫脹した1例

著者: 奈古利恵1 船坂陽子1 神崎亜希子1 青山純一2 福本裕子3 佐伯秀久1

所属機関: 1日本医科大学皮膚科教室 2日本医科大学呼吸器内科学教室 3日本医科大学循環器内科学教室

ページ範囲:P.307 - P.312

文献購入ページに移動
要約 41歳,女性.10年前から眉・アイラインのアートメイクを繰り返していた.初診の2か月前よりアートメイク部の皮膚が硬結を伴って隆起し,2週前より交通事故による左上口唇の瘢痕部および両下肢に4か所結節が生じた.左上口唇および大腿の結節は病理組織学的にどちらも非乾酪性類上皮細胞肉芽腫の像を呈していた.胸部CTで両側肺門リンパ節腫脹があったが,他の臓器病変は伴わず,サルコイドーシスの診断基準は満たさなかった.眉毛部にはステロイド,アイライン部にはタクロリムス軟膏を外用し,4か月後には皮膚病変および両側肺門リンパ節腫脹ともに改善した.アートメイク部に限らず,他の部位にも皮疹が多発した場合は,全身の評価をしておく必要がある.自験例ではアートメイクにより,何らかのサルコイドーシス類似の反応が一過性に引き起こされたことが推測された.

参考文献

1) アートメイクの危害,独立行政法人国民生活センター,2011年10月27日公表
2) 医政医発第105号,厚生労働省医政局医事課長,平成13年11月8日
3) 谷垣武彦,他:臨皮 44:43, 1990
4) 吉永英司,他:臨皮 57:902, 2003
5) 吉村順子,他:皮膚病診療 37:35, 2015
6) 近藤佐知子,他:皮膚病診療 35:193, 2013
7) 佐藤雅道,末木博彦:Visual Dermatol 8:454, 2009
8) Weidman AI, et al:Arch Dermatol 94:320, 1966
9) Rorsman H, et al:Lancet 2:27, 1969
10) 神野直子,他:臨皮 68:229, 2014

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1324

印刷版ISSN:0021-4973

雑誌購入ページに移動
icon up
あなたは医療従事者ですか?