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文献詳細

雑誌文献

臨床皮膚科71巻4号

2017年04月発行

文献概要

症例報告

魚鱗癬様皮疹を呈したサルコイドーシスの1例

著者: 倉田裕介1 梅原かおり1 安野秀一郎1 若松研弥1 中村好貴1 根本圭2

所属機関: 1山口大学大学院医学系研究科皮膚科学分野 2ねもと皮ふ科クリニック

ページ範囲:P.313 - P.318

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要約 77歳,男性.初診2か月前より38℃台の発熱と倦怠感を自覚し,体幹・四肢に鱗屑を伴う紅斑が出現した.四肢近位筋の筋力低下,末梢神経障害を生じ,18FDG-PET/CTにて両上肢・大腿部の骨格筋に集積像を認め,ガリウムシンチグラフィーで両側肺門部に強い集積を認めた.また血中アンギオテンシン変換酵素(angiotensin converting enzyme:ACE)値は64.4U/lと高く,皮膚・筋いずれの生検でも多核巨細胞を含む非乾酪性類上皮細胞性肉芽腫の病理組織像が得られ,神経伝導検査にて左右上・下肢で末梢神経障害を認めたことより,神経・筋・皮膚サルコイドーシスと診断した.本症の臨床的特徴ならびに生検部位の特定に加えサルコイド病変の全身的な分布を評価する上における画像検査の有用性に関して文献的考察を交えて報告する.

参考文献

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掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1324

印刷版ISSN:0021-4973

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