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文献詳細

雑誌文献

臨床皮膚科71巻4号

2017年04月発行

文献概要

症例報告

若年性黄色肉芽腫の1例—ダーモスコピー所見の検討

著者: 田中諒1 齋藤京1

所属機関: 1さいたま市立病院皮膚科

ページ範囲:P.319 - P.322

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要約 10か月女児.生後8か月で大陰唇右側に皮膚腫瘤が出現した.初診時,12mm大の柔らかい紡錘形の皮膚結節があった.色調は淡黄色調,表面平滑だった.ダーモスコピー所見では黄色調の均一な背景がみられ,その上に背景と比較して暗黄色調の沈着物が雲状に散在し,繊細な線状血管,分岐状血管が腫瘍表面全体にびまん性に多発していた.病理組織学的所見では真皮から脂肪織にかけてびまん性に腫瘍細胞が浸潤し,腫瘍細胞は胞体の明るい大型の核を有する組織球様,単核球様の細胞であり,CD68陽性,S100蛋白,CD1a陰性だった.Touton型巨細胞を認めた.臨床所見,組織学的所見,免疫組織学的所見より若年性黄色肉芽腫と診断した.近年,本症は“setting sun appearance”と呼ばれる特徴的なダーモスコピー所見を呈すると指摘されており,典型的なダーモスコピー像を呈する症例では皮膚生検なしに経過観察できる可能性が示唆された.

参考文献

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8) Unno T, et al:Int J Dermatol 53:e590, 2014

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1324

印刷版ISSN:0021-4973

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