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文献詳細

雑誌文献

臨床皮膚科71巻4号

2017年04月発行

文献概要

症例報告

Gorlin症候群の1例

著者: 田中佳世1 猿田寛1 清永千晶1 松田光弘1 大畑千佳1 古村南夫1 名嘉眞武国1

所属機関: 1久留米大学医学部皮膚科

ページ範囲:P.348 - P.354

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要約 68歳,女性.64歳時に右耳介後部に易出血性の母指頭大の皮膚腫瘍を自覚し,徐々に増大傾向を認めた.当科受診時には6.0×4.5cm大の巨大な皮膚腫瘍を認めており,病理組織学的検査で基底細胞癌と診断した.ほかにも頭部・体幹に結節型1個,表在型36個の基底細胞癌が多発していた.脊椎の異常,前額の突出,大脳鎌の石灰化,歯原性角化囊胞,卵巣腫瘍を合併しており,遺伝子検査でPTCH1遺伝子に変異を認めていた.以上の所見からGorlin症候群と診断した.治療は可能な限り手術療法を行い,残存する病変に対してはイミキモド外用で加療を行った.基底細胞癌に対する治療方法は手術療法が一般的だが,自験例のような病変が多発する症例において手術療法のみで治療することは患者の負担が大きい.そのためイミキモド外用療法を含む非侵襲的な治療方法を選択することが患者の負担の軽減につながると考えた.

参考文献

1) Gorlin RJ & Goltz RW:N Engl J Med 262:908, 1960
2) Endo M, et al:Am J Med Genet A 158A:351, 2012
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4) Hahn H, et al :Cell 85:841, 1996
5) Johnson RL, et al:Science 272:1668, 1996
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7) Kimonis VE, et al:Am J Med Genet 69:299, 1997
8) Nishigori C, et al:Br J Dermatol 153(Suppl 2):52, 2005
9) Goldstein AM, et al:J Am Acad Dermatol 29:34, 1993
10) 八木澤瑞穂,他:耳鼻臨床 97:923, 2004
11) Sekulic A, et al:N Engl J Med 366:2171, 2012

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1324

印刷版ISSN:0021-4973

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