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文献詳細

雑誌文献

臨床皮膚科71巻4号

2017年04月発行

文献概要

症例報告

大型先天性多発性色素性母斑上に生じた悪性黒色腫の1例

著者: 森志朋1 高橋和宏1 赤坂俊英2

所属機関: 1岩手医科大学皮膚科学講座 2北上済生会病院皮膚科

ページ範囲:P.361 - P.366

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要約 75歳,女性.生下時より身体各所に色素斑があり2013年10月に左手関節部に腫瘤が出現した.2014年3月より腫瘤部から出血が続くため前医を受診し腫瘤を切除した.病理組織像より悪性黒色腫が疑われ当科を紹介され受診した.5月に手術瘢痕より中枢側2cm,末梢側1.5cmで切除し分層植皮術と腋窩センチネルリンパ節生検を施行した.病理検査や画像検査で転移を疑う所見はなく悪性黒色腫(Stage Ⅱb)と診断した.患者が一切の後療法を拒否したため定期通院による経過観察のみ行っていたが10月に小脳出血を発症し永眠した.出血巣や頭蓋内に転移所見はなかった.先天性色素性母斑のうち大型の先天性色素性母斑では,その多くが幼少時に悪性黒色腫を発生することが知られているが,自験例では74歳時発症と調べえた限り本邦最高齢であった.

参考文献

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掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1324

印刷版ISSN:0021-4973

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