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増刊号特集 最近のトピックス2017 Clinical Dermatology 2017
3.新しい検査法と診断法
文献概要
summary
薬剤性過敏症症候群(drug-induced hypersensitivity syndrome:DIHS)は,限られた薬剤により遅発性に発症し,発熱,多臓器障害,ヒトヘルペスウイルス再活性化を伴う重症型薬疹の1つである.本症では,初期の対応がその後の経過を左右するため,早期診断が必要不可欠である.しかし実際には,問診や臨床所見のみから,DIHSを早期に診断するのは困難なことが多い.近年,DIHSの発症初期に,Th2型免疫反応を誘導するケモカインの1つであるthymus and activation-regulated chemokine(TARC)の血清中濃度が著明に高値を示すことが明らかとなった.一方,Stevens-Johnson症候群,中毒性表皮壊死症,紅斑丘疹型薬疹では,軽度の上昇にとどまることから,TARCがDIHSの早期診断のバイオマーカーとして注目されている.
薬剤性過敏症症候群(drug-induced hypersensitivity syndrome:DIHS)は,限られた薬剤により遅発性に発症し,発熱,多臓器障害,ヒトヘルペスウイルス再活性化を伴う重症型薬疹の1つである.本症では,初期の対応がその後の経過を左右するため,早期診断が必要不可欠である.しかし実際には,問診や臨床所見のみから,DIHSを早期に診断するのは困難なことが多い.近年,DIHSの発症初期に,Th2型免疫反応を誘導するケモカインの1つであるthymus and activation-regulated chemokine(TARC)の血清中濃度が著明に高値を示すことが明らかとなった.一方,Stevens-Johnson症候群,中毒性表皮壊死症,紅斑丘疹型薬疹では,軽度の上昇にとどまることから,TARCがDIHSの早期診断のバイオマーカーとして注目されている.
参考文献
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