文献詳細
増刊号特集 最近のトピックス2017 Clinical Dermatology 2017
5.皮膚科医のための臨床トピックス
タキサン系抗がん剤による皮膚硬化早期病変におけるバーシカン沈着増加
著者: 岡田佳与1 宇谷厚志2 遠藤雄一郎3
所属機関: 1兵庫県立尼崎総合医療センター皮膚科 2長崎大学大学院医歯薬学総合研究科皮膚病態学 3京都大学大学院医学研究科皮膚科学
ページ範囲:P.153 - P.155
文献概要
タキサン系の抗がん剤は悪性腫瘍に広く使用されている.タキサン系薬剤投与に伴う浮腫・硬化は容量依存性に起こるが,その病因については明らかではない.われわれはタキサン投与に伴い浮腫・硬化を起こした症例において,早期の浮腫期では,通常の浮腫と異なりヒアルロン酸ではなくコンドロイチン硫酸を側鎖に有するプロテオグリカンであるバーシカンが著しく増加していることを見出した.一方,硬化期では,バーシカン異常沈着はもはや認めず,膠原線維の異常増加が目立つ硬化病変を認めた.浮腫期から皮膚硬化に至るタキサン投与による有害事象の発生病理の解明につながる知見と考えた.
参考文献
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