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増刊号特集 最近のトピックス2017 Clinical Dermatology 2017 5.皮膚科医のための臨床トピックス
アレルゲンコンポーネント検査
著者: 矢上晶子1
所属機関: 1藤田保健衛生大学坂文種報德會病院総合アレルギー科
ページ範囲:P.162 - P.164
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近年,科学技術の進歩により,IgE抗体と反応し症状の誘発に関わる蛋白質を測定できるようになった.食物中で特異的IgE抗体が結合するそれぞれの蛋白質をアレルゲンコンポーネント(構成蛋白),その結合部位をエピトープ(抗原決定基),アレルゲンコンポーネントに対する特異IgE抗体を測定することをcomponent resolved diagnosticsと呼ぶ.従来測定していた粗抽出アレルゲンには直接アレルギー症状の有無とは結びつかないコンポーネントも含まれているが,臨床症状の有無との関係がより密接なコンポーネントで特異IgE抗体を測定すれば,臨床的な感度・特異度が改善するとされる.本稿では,われわれ皮膚科医が日常診療で遭遇する,アレルゲンコンポーネントの測定が有用な即時型アレルギーである,ラテックスアレルギー(Hev b 6.02),小麦による食物依存性運動誘発性アナフィラキシー(ω-5グリアジン),大豆(特に豆乳)による即時型アレルギー(Gly m 4)について概説する.
近年,科学技術の進歩により,IgE抗体と反応し症状の誘発に関わる蛋白質を測定できるようになった.食物中で特異的IgE抗体が結合するそれぞれの蛋白質をアレルゲンコンポーネント(構成蛋白),その結合部位をエピトープ(抗原決定基),アレルゲンコンポーネントに対する特異IgE抗体を測定することをcomponent resolved diagnosticsと呼ぶ.従来測定していた粗抽出アレルゲンには直接アレルギー症状の有無とは結びつかないコンポーネントも含まれているが,臨床症状の有無との関係がより密接なコンポーネントで特異IgE抗体を測定すれば,臨床的な感度・特異度が改善するとされる.本稿では,われわれ皮膚科医が日常診療で遭遇する,アレルゲンコンポーネントの測定が有用な即時型アレルギーである,ラテックスアレルギー(Hev b 6.02),小麦による食物依存性運動誘発性アナフィラキシー(ω-5グリアジン),大豆(特に豆乳)による即時型アレルギー(Gly m 4)について概説する.
参考文献
1) Yagami A, et al:Allergol Int 58:347, 2009
2) Matsuo H, et al:J Biol Chem 279:12135, 2004
3) Yagami A, et al:J Dermatol 42:917, 2015
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