文献詳細
増刊号特集 最近のトピックス2017 Clinical Dermatology 2017
5.皮膚科医のための臨床トピックス
文献概要
summary
パッチテストパネル®(S)は,日本で保険承認を得て発売されたready to useのパッチテスト試薬である.そのアレルゲンは,1987年にスウェーデンで開発されたT.R.U.E. test®の中からジャパニーズスタンダードアレルゲン2008シリーズに対応するアレルゲンを選択して構成される.各アレルゲンは濃度ではなく,含量で示され,基剤はワセリンや水ではなく,ヒドロキシプロピルセルロースやポビドンなどが添加されている.パッチテストパネル®(S)の金チオ硫酸ナトリウムは,これまでの0.5%ワセリン基剤の試薬よりも高い陽性率を呈し,1週間以降に惹起される陽性反応や,ステロイド外用剤を塗布しても長期間持続する陽性反応を呈するなど,その反応の解釈が困難な場合があり,今後検討を要する.そのほかのアレルゲンについては,特に問題なくパッチテスト貼布時のスクリーニングとして有用である.
パッチテストパネル®(S)は,日本で保険承認を得て発売されたready to useのパッチテスト試薬である.そのアレルゲンは,1987年にスウェーデンで開発されたT.R.U.E. test®の中からジャパニーズスタンダードアレルゲン2008シリーズに対応するアレルゲンを選択して構成される.各アレルゲンは濃度ではなく,含量で示され,基剤はワセリンや水ではなく,ヒドロキシプロピルセルロースやポビドンなどが添加されている.パッチテストパネル®(S)の金チオ硫酸ナトリウムは,これまでの0.5%ワセリン基剤の試薬よりも高い陽性率を呈し,1週間以降に惹起される陽性反応や,ステロイド外用剤を塗布しても長期間持続する陽性反応を呈するなど,その反応の解釈が困難な場合があり,今後検討を要する.そのほかのアレルゲンについては,特に問題なくパッチテスト貼布時のスクリーニングとして有用である.
参考文献
1) 鈴木加余子,他:J Environ Dermatol Cutan Allergol 9:101, 2015
2) 須貝哲郎:皮膚 30(増刊5):214, 1988
3) 中田土起丈,他:臨床医薬 25:937. 2009
4) 松永佳世子:J Environ Dermatol Cutan Allergol 10:339, 2016
5) 鈴木加余子,他:J Environ Dermatol Cutan Allergol 10:439, 2016
6) Rietsche FRL, et al:Fisher's Contact Detmatits 6th ed, BC Decker Inc, Hamilton, p16, 2008
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