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文献詳細

雑誌文献

臨床皮膚科71巻6号

2017年05月発行

文献概要

症例報告

ナローバンドUVBが奏効した環状肉芽腫の3例

著者: 梅田直樹1 平川佳葉子1 森川博文1 野田英貴2

所属機関: 1広島県厚生農業協同組合連合会廣島総合病院皮膚科 2広島市立安佐市民病院皮膚科

ページ範囲:P.411 - P.417

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要約 症例1:75歳,男性.初診5か月前より左上背部,右上腕に環状紅色局面が出現した.症例2:11歳,女児.初診2週間前に左外果に環状紅色局面が出現し,その後,四肢にも同様の皮疹が出現した.症例3:63歳,男性.初診3年前より右手背に環状紅色局面が出現した.3症例とも病理組織学的に環状肉芽腫と診断した.いずれの症例もステロイドの外用だけでは改善せず,ナローバンドUVBを併用することで皮疹は略治した.ナローバンドUVBが有効であった環状肉芽腫の症例報告を検討すると病変が浅層にあるほど略治までの紫外線照射量が少ない傾向にあった.紫外線治療の作用機序として紫外線の真皮深達度範囲内で組織球,リンパ球に細胞毒性効果を発揮する直接的効果と,表皮のLangerhans細胞からIL-10を遊離させてマクロファージを抑制する間接的な効果が考えられており,病変の深度が略治までの紫外線照射量と相関している可能性を考えた.

参考文献

1) 伊崎誠一:最新皮膚科学大系,第9巻,中山書店,p271, 2002
2) 豊田美都,他:日皮会誌 116:2265, 2006
3) 池田祐輔,他:西日皮膚 57:466, 1995
4) 原嶋秀明,他:皮膚臨床 55:1982, 2013
5) 太田安紀,他:日皮会誌 115:893, 2005
6) 松木真吾,他:西日皮膚 76:447, 2014
7) 芳賀恒夫,他:皮膚病診療 32:167, 2010
8) Kerker BJ, et al:Arch Dermatol 126:359, 1990

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1324

印刷版ISSN:0021-4973

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