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文献詳細

雑誌文献

臨床皮膚科71巻6号

2017年05月発行

症例報告

超音波検査が経過観察に有用であった血管芽細胞腫の1例

著者: 正畠千夏1 平井都始子2 福本隆也1 浅田秀夫1

所属機関: 1奈良県立医科大学皮膚科学教室 2奈良県立医科大学総合画像診断センター

ページ範囲:P.445 - P.450

文献概要

要約 1か月,男児.生後2週頃,両親が左下肢の腫脹に気付いた.当科初診時,左下腿伸側に約3×2cm大の皮下に硬結を伴う紫青色斑を認めた.超音波検査では筋膜に沿って10mm大の扁平で不整な低エコー域を認め,周囲の皮下脂肪組織に不整な高エコー域を伴っていた.初診より2か月後の超音波検査で腫瘤の増大と血流の増加を認めた.生検により血管芽細胞腫と診断した.初診より6か月目には縮小傾向となり,1年後にはほぼ消失した.2年後,再発は認めず,超音波検査でも明らかな病変を描出することはできなかった.自験例では超音波検査は血管芽細胞腫の診断のみならず経過観察や再発の有無の確認において有用であった.

参考文献

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9) Dubois J, et al:AJR Am J Roentgenol 178:1541, 2002

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1324

印刷版ISSN:0021-4973

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