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文献詳細

雑誌文献

臨床皮膚科71巻7号

2017年06月発行

症例報告

多発する紫斑および顔貌,下腿浮腫から診断に至った全身性アミロイドーシスの1例

著者: 倉田裕介1 梅原かおり1 安野秀一郎1 中村好貴1

所属機関: 1山口大学大学院医学系研究科皮膚科学分野

ページ範囲:P.501 - P.505

文献概要

要約 62歳,女性.初診3か月前にバイクで転倒し左右下腿に裂傷受傷.近医皮膚科で加療されるが改善しないため,当科に紹介され受診し,精査目的で入院となった.初診時には両下腿に浮腫を伴う皮膚潰瘍を認め,大腿,手背,頸部などに紫斑を認めた.大腿紫斑部の皮膚生検で真皮深層にAλアミロイド沈着を認めた.舌,消化管からの生検においてもAλアミロイド沈着を認め全身性アミロイドーシスと診断した.多彩な初期臨床像を呈するアミロイドーシスの診断で最も重要なことは,患者の症候よりアミロイドーシスを疑うことであり,自験例のように下腿浮腫や紫斑,皮下出血を認める場合は腎機能,凝固系の異常のみならず全身性アミロイドーシスを鑑別に挙げ早期に皮膚生検を行うべきであると考えた.

参考文献

1) 堤  碧,他:西日皮膚 77:364, 2015
2) 山田正仁:アミロイドーシス診療ガイドライン2010, p6, 2010
3) 松田洋昌,他:皮膚臨床 54:739, 2012
4) 伊藤ゆり子,他:皮膚臨床 46:1129, 2004
5) 本間 大,他:皮膚臨床 46:1125, 2004
6) Lee DD, et al:Am J Dermatopathol 20:438, 1998

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1324

印刷版ISSN:0021-4973

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