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文献詳細

雑誌文献

臨床皮膚科71巻7号

2017年06月発行

文献概要

症例報告

有棘細胞癌術後出血により慢性播種性血管内凝固症候群を診断しえた1例

著者: 東山文香1 横山智哉1 馬岡愛1 尾本陽一1 波部幸司1 山中恵一1 松本剛史2 和田英夫3 水谷仁1

所属機関: 1三重大学大学院医学系研究科皮膚科学 2三重大学大学院医学系研究科血液内科学 3三重大学大学院医学系研究科検査医学

ページ範囲:P.519 - P.522

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要約 80歳台,男性.2年前より右耳前部の腫瘍を自覚した.前医での皮膚生検病理組織像にて,有棘細胞癌(squamous cell carcinoma:SCC)が疑われ,手術目的で当科を紹介受診した.SCC切除術後,創部より持続性の出血をきたした.血液検査ではTATの上昇と凝固系の亢進状態およびFDP,D-dimmer,PICの上昇と線溶系の亢進状態を示した.既往に胸腹部大動脈瘤のステント治療歴があり,周術期の経過から同部位の血管内血流異常によって生じた慢性播種性血管内凝固症候群と診断しえた.高齢化に伴い他の合併疾患により術後出血を起こす可能性のある症例は今後増加が危惧される.基礎疾患,患者背景への留意はもちろんのこと紫斑という皮疹に対する考察の必要性を喚起させられた症例であった.

参考文献

1) 中川雅夫:厚生省特定疾患血液系疾患調査研究班血液凝固異常症分科会:p57, 1999
2) 丸山征郎,他:日血栓止血会誌 20:77, 2009
3) Fisher DF Jr, et al:Arch Surg 118:1252, 1983
4) 和田英夫:日血栓止血会誌 11:3, 2000
5) 堀 進悟:日内会誌 99:226, 2010
6) 和田英夫,他:日血栓止血会誌 19:348, 2008
7) 吉見 浩,他:埼玉医会誌 47:74, 2012

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1324

印刷版ISSN:0021-4973

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