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文献詳細

雑誌文献

臨床皮膚科71巻7号

2017年06月発行

文献概要

症例報告

ヒトヒフバエによるハエ幼虫症の1例

著者: 中村友果1 高旗博昭1 佐藤宏2

所属機関: 1山口赤十字病院皮膚科 2山口大学共同獣医学部寄生虫学教室

ページ範囲:P.538 - P.542

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要約 31歳,女性.初診7か月前より中南米に滞在しており,3週間前より右肘部に2か所の結節を自覚していた.帰国後,結節中央より白色虫体を認め,自宅にて自己圧出後,虫体を持参し当科を受診した.右肘部に瘻孔を伴う紅色結節を2か所認め,うち1か所の瘻孔から白色虫体の一部が観察された.カラードプラ超音波検査では,虫体を示す高エコー領域内に体液流を認め,検査中に虫体が動く様子も確認できた.局所麻酔下に,瘻孔部より切開を加え,虫体を摘出した.虫体はヒトヒフバエの2齢幼虫と同定した.海外渡航の増加に伴い,本邦に生息しない生物による疾患に遭遇する機会も増えると予想される.詳細な問診を行うとともに,自験例のような寄生虫疾患も念頭に置く必要があると考える.

参考文献

1) 玉置邦彦,他(編):最新皮膚科学大系,16巻,中山書店,p15, 2003
2) 川島 綾,他:臨皮 57:1027, 2003
3) 古城八寿子,他:皮膚病診療 25:891, 2003
4) 青木馨代,他:臨皮 65:167, 2011
5) 白井三由希,他:皮膚病診療 35:661, 2013
6) 前田龍一郎,他:日熱帯医会誌 18:197, 1990

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1324

印刷版ISSN:0021-4973

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