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文献詳細

雑誌文献

臨床皮膚科71巻7号

2017年06月発行

症例報告

受傷後早期に著明な血小板減少をきたしたマムシ咬傷の1例

著者: 溝上沙央里1 江口弘伸1 名嘉眞武国2

所属機関: 1大牟田市立病院皮膚科 2久留米大学医学部皮膚科

ページ範囲:P.543 - P.547

文献概要

要約 10歳,男児.小学校の校庭で蛇を捕まえようとしたところ右示指を咬まれ,受傷50分後に救急搬送された.初診時,手指から手背にかけて腫脹し,示指基部に2か所の牙痕を認めた.教職員が持参した蛇の体の斑紋よりマムシ咬傷Grade Ⅰと診断した.搬送時の血小板は2.0×104/μlと著明に減少しており,マムシ抗毒素血清を投与した.受傷16時間後に腫脹は肘関節に及んだが,血小板は18.5×104/μlまで改善した.その後,腫脹も改善し第10病日に退院した.マムシ咬傷では,血管内に毒素が注入されると,局所の腫脹が軽度であっても急速な血小板減少や全身の出血症状をきたし重篤化しやすいといわれている.血小板減少はマムシ抗毒素血清の投与で速やかに改善することが多く,受傷後早期に血小板減少をきたした場合には,全身への毒の波及を想定して,Gradeにかかわらず早急にマムシ抗毒素血清の投与を考慮するべきである.

参考文献

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掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1324

印刷版ISSN:0021-4973

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