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文献詳細

雑誌文献

臨床皮膚科71巻8号

2017年07月発行

症例報告

ピルシカイニドが原因と考えられる多形紅斑型薬疹の1例

著者: 江藤綾桂1 中村美沙1

所属機関: 1原土井病院皮膚科

ページ範囲:P.587 - P.590

文献概要

要約 68歳,女性.10日前より発作性心房細動の診断でピルシカイニド(サンリズム®),アピキサバン,ベラパミルを内服中であった.全身にターゲット状の滲出性紅斑と口唇のびらん,発熱を認め多形紅斑と診断した.3剤のリンパ球刺激試験を施行し,ピルシカイニドのみが陽性であったことから被疑薬と判断した.ピルシカイニドはVaughan Williams分類においてIc群に分類される抗不整脈薬である.1991年より本邦で発売となり頻脈性不整脈の治療に使用されている.われわれの調べえた限り本邦においてピルシカイニドによる多形紅斑型薬疹の報告はなかった.ピルシカイニドは薬疹の報告がきわめて少ない薬剤であるが,薬疹の被疑薬として鑑別する必要がある.

参考文献

1) 児玉逸雄,他:不整脈薬物治療に関するガイドライン 2009年改訂版,日本循環器学会,p60, 2009
カプセル医薬品インタビューフォーム 第11版,p31, 2015
3) 高畠利一,他:薬理と治療 17:3195, 1976
4) 高橋雅之,他:心臓 46:723, 2014
5) 清水賢巳,他:薬理と治療 22:3717, 1994

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1324

印刷版ISSN:0021-4973

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