icon fsr

文献詳細

雑誌文献

臨床皮膚科71巻8号

2017年07月発行

文献概要

症例報告

臍部に生じた異所性子宮内膜症の1例

著者: 東海林怜1 嶋岡弥生1 鈴木利宏1 濱崎洋一郎1 藤原岳人2 籏持淳1

所属機関: 1獨協医科大学皮膚科学教室 2小金井中央病院消化器外科

ページ範囲:P.601 - P.604

文献購入ページに移動
要約 42歳,女性.2013年11月頃より臍部に圧痛を伴う腫瘤を自覚し,当科を紹介され受診した.初診時臍部に10mm大,弾性軟の隆起性腫瘤を認めた.病理組織学的所見で,真皮内に間質増生を伴う腺腔構造を認め,免疫組織化学染色ではエストロゲンおよびプロゲステロンレセプターが腺管細胞の核に一致して陽性であり,臍部に生じた異所性子宮内膜症と診断した.全摘手術により再発は認めていない.本邦皮膚科領域で過去10年間に報告された臍部異所性子宮内膜症について集計したところ,臍部以外の子宮内膜症の合併と,臍部の異所性子宮内膜症の大きさや,月経関連症状の有無が影響している可能性が考えられた.

参考文献

1) 玉置邦彦,他(編):最新皮膚科学体系,12巻,第1版,中山書店,p273, 2003
2) Masson JC:Tranc West Sung Assoc 53:35, 1945
3) Steck WD, et al:J Am Med Assoc 191:167, 1965
4) 赤木竜也,他:皮膚臨床 36:673, 1994
5) 大山公崇,他:西日皮膚 68:37, 2006
6) 尾上智彦,他:臨皮 60:363, 2006
7) 山中真絢,他:皮膚臨床 48:675, 2006
8) 赤松洋子,他:皮膚病診療 29:821, 2007
9) 加藤典子,他:皮の科 7:205, 2008
10) 宮本明栄,他:皮膚臨床 51:1196, 2009
11) 小島令子,他:皮膚臨床 51:1912, 2009
12) Fukuda H, et al:J Dematol 37:545, 2010
13) 守屋真希,他:西日皮膚 72:452, 2010
14) 小泉智恵,他:臨皮 65:452, 2011
15) 大野健太郎,他:皮膚臨床 53:479, 2011
16) 上岡なぎさ,他:皮膚病診療 34:269, 2012
17) 森岡理恵子,他:皮膚臨床 55:1149, 2013
18) 塚本文人,他:皮膚臨床 55:122, 2013
19) 廣島光恵,他:西日皮膚 75:1, 2013
20) 二瓶順子,他:臨皮 69:226, 2015
21) 岩崎菜保子,他:西日皮膚 77:178, 2015
22) 日本産科婦人科学会(編):日本産婦人科学会子宮内膜症取扱い規約 第2部 治療編・診療編,第2版,金原出版,p20, 2010
23) 武谷雄二:日医師会誌 134:369, 2005

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1324

印刷版ISSN:0021-4973

雑誌購入ページに移動
icon up
あなたは医療従事者ですか?