icon fsr

文献詳細

雑誌文献

臨床皮膚科71巻8号

2017年07月発行

文献概要

症例報告

肛囲と陰部の難治性潰瘍を契機に診断された多臓器型成人Langerhans細胞組織球症の1例

著者: 小川智広1 前川武雄1 小宮根真弓1 村田哲1 大槻マミ太郎1

所属機関: 1自治医科大学皮膚科

ページ範囲:P.635 - P.639

文献購入ページに移動
要約 36歳,女性.4年前から肛門周囲に潰瘍が出現した.近医皮膚科や肛門科で抗菌薬外用等するも改善せず,生検病理組織像でLCHを疑われ当院を紹介受診した.外陰部から会陰,肛門周囲に多発潰瘍,額に黄色丘疹,点状痂皮,体幹に褐色斑の多発を認めた.再生検でCD1a陽性細胞の表皮内浸潤,真皮の結節状浸潤あり,LCHと確定診断した.ステロイド外用にて陰部潰瘍は縮小傾向を認め,一定の効果を示したが,全身精査で腟壁,尿道,甲状腺浸潤がみられ,多臓器型として今後化学療法を施行予定である.また,LCHではBRAF V600変異がみられる例があり分子標的薬の有効性が指摘されているが,自験例では変異はみられなかった.

参考文献

1) 今宿晋作:日本医事新報 3650:27, 1994
2) The Writing Group of the Histiocyte Society:Lancet 1:208, 1987
3) Allen CE, et al:J Immunol 184:4557, 2010
4) 新保和花子,他:皮膚臨床 51:415, 2009
5) Arico M, et al:Eur J Cancer 39:2341, 2003
6) Morimoto A, et al:Cancer 107:613, 2006
7) Minami M, et al:Int J Hematol 102:244, 2015
8) Badalian-Very G, et al:Blood 116:1919, 2010
9) Haroche J, et al:Blood 121:1495, 2013

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1324

印刷版ISSN:0021-4973

雑誌購入ページに移動
icon up
あなたは医療従事者ですか?