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症例報告
小児の毛包性ムチン沈着症の1例
著者: 栗山裕子1 大西一德1
所属機関: 1前橋赤十字病院皮膚科
ページ範囲:P.641 - P.644
文献購入ページに移動要約 12歳,男児.初診3か月前より自覚症状のない脱毛斑が左頰骨部に出現した.初診時,左頰骨髪際部,背部,右肩,左下腿に小指頭大から胡桃大までの脱毛斑上に毛孔一致性丘疹の集簇を認めた.病理組織像で毛包内と周囲にムチン沈着あり,follicular mucinosisと診断した.ステロイド外用加療にて紅斑の褪色傾向,毛の再生,丘疹の平坦化を認め,軽快した.本邦での過去25年の報告で小児の毛包性ムチン沈着症で軀幹まで多発した症例,頭部・顔面以外に皮疹を生じた症例は自験例のみであった.成人においては菌状息肉症との鑑別が必要となるが,小児の毛包性ムチン沈着症では毛包向性菌状息肉症と同等とみなしてはならず,局所治療にて軽快傾向があることがわかってきている.自験例は多発例であり,今後も定期的な経過観察を予定している.
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