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文献詳細

雑誌文献

臨床皮膚科71巻8号

2017年07月発行

文献概要

症例報告

維持透析中の女性患者に発症したFournier壊疽の1例

著者: 安見真希1 小森由美1 花田圭司1 駒井慎次郎2 塩見直人3

所属機関: 1済生会滋賀県病院皮膚科 2済生会滋賀県病院形成外科 3済生会滋賀県病院救急集中治療科

ページ範囲:P.645 - P.649

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要約 56歳,女性.抗精神病薬などの大量服薬による意識レベルの低下が疑われ救急搬送された.初診時に右会陰部,右大腿部,右臀部,肛門周囲に熱感を伴う紅斑や腫脹,黒色壊死があり,造影CT検査で皮疹に一致して,軟部組織の腫脹と脂肪織内のガス像を認めたことからFournier壊疽と診断した.速やかに抗菌薬の投与,壊死部のデブリードマン,エンドトキシン吸着療法,持続緩徐式血液濾過透析を行った.Uludag Fournier's gangrene severty indexによる重症度とAcute physiology and chronic health evaluation IIscoreによる予測死亡率は高かったが,他科や多職種との連携により救命することができた.肛門周囲膿瘍が感染源となり,基礎疾患の慢性腎不全,神経性食思不振症による免疫力の低下がFournier壊疽の発症につながったと考えた.

参考文献

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9) Yilmazlar T, et al:Tech Coloproctol 14:217, 2010

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1324

印刷版ISSN:0021-4973

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