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文献詳細

雑誌文献

臨床皮膚科71巻9号

2017年08月発行

文献概要

症例報告

家族性地中海熱に合併した血管炎の1例

著者: 山本真有子1 中島喜美子1 公文義雄2 右田清志3 佐野栄紀1

所属機関: 1高知大学医学部皮膚科学講座 2高知大学医学部内分泌代謝・腎臓内科学 3国立病院機構長崎医療センター臨床研究センターリウマチ科

ページ範囲:P.687 - P.691

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要約 52歳,女性.妹に家族性地中海熱がある.小児期より繰り返す発熱発作と胸痛のエピソードがあり,成人後に関節痛を繰り返していた.MEFV遺伝子のエクソン2にp.E148Qの変異をヘテロで認め,家族性地中海熱と診断され,コルヒチン内服により関節痛や発熱発作はコントロールされていた.6年前から下腿に数日で消退する紫斑が出没するようになった.病理組織像では真皮浅層から中層の小血管のフィブリノイド変性と血管壁にリンパ球を主体とした炎症細胞浸潤を認めた.血管壁に免疫グロブリンの沈着は認めなかった.血管周囲の浸潤細胞は細胞質にIL-1βを発現していたことから,MEFV遺伝子変異により過剰に産生されたIL-1βが血管炎の発症に関与していると考えられた.

参考文献

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掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1324

印刷版ISSN:0021-4973

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