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文献詳細

雑誌文献

臨床皮膚科71巻9号

2017年08月発行

文献概要

症例報告

足趾に孤発した大型伝染性軟属腫の1例—発生母地による臨床像の差異

著者: 西野洋輔1 川本友子1 廣畑彩希1 坂本幸子1 池上隆太1

所属機関: 1独立行政法人地域医療機能推進機構大阪病院皮膚科

ページ範囲:P.692 - P.696

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要約 51歳,女性.初診の約4か月前から右第4趾背側に結節を自覚,徐々に増大したため当科を受診した.12×11mmの淡紅色の表面粗糙で部分的に角化を伴う広基性結節を認めた.病理組織学的に,表皮が陥凹する囊腫状構造を認め,軟属腫小体も確認されたことから伝染性軟属腫と診断した.結節は部分生検の30日後に自然消退した.成人に生じた大型(10mm以上)で孤発性の本邦例は,自験例と同様,いずれも被刺激部位に発症していた.また臨床的には中央臍窩が明瞭でなく,病理組織学的に多数の表皮陥凹が腫瘍表面に集簇する構造であることも共通していた.典型的な臨床像を示さず,成人に孤発・大型化したものは,臨床診断が困難な場合が多い.

参考文献

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掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1324

印刷版ISSN:0021-4973

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