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文献詳細

雑誌文献

臨床皮膚科71巻9号

2017年08月発行

文献概要

症例報告

CD34陽性であった軟部神経周膜腫の1例

著者: 岩田昌史1 川端紀子1 長谷川匡2 杉田真太朗2

所属機関: 1長浜赤十字病院皮膚科 2札幌医科大学附属病院病理診断科

ページ範囲:P.697 - P.700

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要約 16歳,男性.2年前より左上腕近位外側に皮下腫瘤を自覚し,3cm大まで徐々に増大したため受診した.マージンなしで被膜ごと腫瘤を切除した.病理組織像では異型の乏しい類円形の腫大した核を持つ紡錘形細胞が花筵状に増殖しており,周囲は線維性偽被膜で覆われていた.紡錘形細胞はCD34陽性,S100蛋白陰性,EMA一部陽性であり腫瘤型隆起性皮膚線維肉腫を疑い追加切除を実施した.その後FISH法でPDGFB split signalは検出されず,NF2 signalの欠失,モノソミーを認めたことから軟部神経周膜腫と確定診断した.CD34陽性の紡錘形細胞が花筵状に増殖する腫瘍では,時に隆起性皮膚線維肉腫と神経周膜腫の鑑別が困難な場合がある.HE染色像,免疫染色像,遺伝子検査から総合的に診断していく必要がある.

参考文献

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9) 大原國章:Visual Dermatol 8:300, 2009

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1324

印刷版ISSN:0021-4973

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