icon fsr

文献詳細

雑誌文献

臨床皮膚科71巻9号

2017年08月発行

文献概要

症例報告

上大静脈症候群に伴う顔面の腫脹を契機に胸腺癌が発見された1例

著者: 藤原千紗子1 茂木精一郎1 石川治1

所属機関: 1群馬大学大学院医学系研究科皮膚科学

ページ範囲:P.705 - P.708

文献購入ページに移動
要約 64歳,女性.初診2か月前から上眼瞼から頰部にかけての腫脹を自覚し,内科を複数受診したが原因不明として経過観察されていた.近医皮膚科で白血球増多,抗核抗体陽性,CRP軽度上昇が認められたため,膠原病を疑われ当科を紹介され受診した.初診時,両側上眼瞼と頰部に腫脹があり,淡紅色調を呈していた.手指尖端にわずかに角化がみられた.皮膚筋炎を疑い悪性腫瘍,間質性肺炎の検索目的にFDG-PET検査,胸部CT検査を行ったところ胸腺癌が発見され,顔面の腫脹は上大静脈症候群によるものと診断した.顔面の持続性浮腫・紅斑を主訴とする患者を診療する場合には,上大静脈症候群も念頭に置いて精査する必要があると考えた.

参考文献

1) Rasim G, et al:ハリソン内科学1巻2版,メディカル・サイエンス・インターナショナル,p601, 2006
2) 西尾賢昭,他:皮膚 33:343, 1991
3) 野口博光,他:皮膚病診療 14:431, 1992
4) 佐山重敏,他:臨皮 55:220, 2001
5) 佐藤英嗣,他:帯厚医誌 11:80, 2008
6) 畠田優子,他:臨皮 65:1045, 2011
7) 趙 玲愛,他:皮膚病診療 34:839, 2012
8) 武山紘子,他:皮膚病診療 34:1079, 2012
9) 工藤裕佳子,他:臨皮 69:323, 2015
10) Chen JC, et al:Am J Surg 160:207, 1990
11) Airan B, et al:Ann Thorac Surg 50:989, 1990
12) 中村友紀,他:皮膚病診療 37:585, 2015
13) 後藤田浩三,他:臨皮 47:857, 1993
14) 山本純照,宮川幸子:日皮会誌 113:2045, 2003
15) 冨士原裕子,他:Visual Dermatol 3:610, 2004
16) 小林康隆,上出良一:Visual Dermatol 3:612, 2004
17) 早乙女敦子,他:皮膚病診療 31:843, 2009
18) 石川真郷,山本俊幸:皮膚病診療 37:573, 2015

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1324

印刷版ISSN:0021-4973

雑誌購入ページに移動
icon up
あなたは医療従事者ですか?