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文献詳細

雑誌文献

臨床皮膚科71巻9号

2017年08月発行

文献概要

症例報告

イトラコナゾールの奏効した皮膚アルテルナリア症の1例

著者: 丸裕吾1 永山博敏1 鈴木良夫2

所属機関: 1総合病院国保旭中央病院皮膚科 2総合病院国保旭中央病院臨床病理科

ページ範囲:P.739 - P.743

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要約 64歳,女性.関節リウマチに対しプレドニゾロン(PSL)5mg/日を内服中であった.2012年3月から鼻根部に紅色の皮疹が出現し,徐々に左頰部まで拡大した.2013年4月当科初診時には鼻根部から左頰部にかけて紅色局面を認めた.また鼻尖部には境界不明瞭な紅斑,右頰部には紅色丘疹を認めた.組織病理学的に真皮内に類上皮細胞肉芽腫の像を認め,生検組織からの真菌培養では表面は白色毛状で裏面は全体に黄褐色で多数の斑状の黒褐色領域を伴うコロニーが発育した.スライド培養では多数の隔壁を有する棍棒状の分生子を認め,自験例を皮膚アルテルナリア症と診断した.イトラコナゾール100mg/日の内服を開始し皮疹は消退したが,肝機能障害を認めたため内服を比較的短期間で中止した.中止後も皮疹の再燃は認めなかった.

参考文献

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7) Hsu CC, et al:Asian J Surg 38:47, 2015

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1324

印刷版ISSN:0021-4973

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