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文献詳細

雑誌文献

臨床皮膚科71巻9号

2017年08月発行

文献概要

治療

レーザー治療を行った色素失調症の母娘例

著者: 村井信幸1 小熊孝2 西尾祐美3 新保慶輔4 野々村秀明5

所属機関: 1高砂市民病院形成外科 2西神戸医療センター形成外科 3新須磨病院形成外科 4広島大学病院形成外科 5浦添総合病院形成外科

ページ範囲:P.745 - P.750

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要約 色素失調症の典型的な皮膚症状であるBlaschko線に沿う色素斑は思春期までに徐々に消退するといわれる.治療は経過観察のみとされていたが成長しても色素斑が残存する場合がある.色素失調症に罹患していた母子それぞれの色素斑に対してQスイッチ付アレキサンドライトレーザーによる治療を行った.初診から6年が経過した現在,母子ともに色素斑は著明に改善しておりレーザー照射が奏効したものと考えられた.渉猟しうる限り色素失調症に伴う色素斑に対する皮膚レーザー治療の報告はなかったが,学校生活で同級生の衆目を集めることなどを考えると就学前のレーザー治療は有効な治療選択肢の1つと考えられた.

参考文献

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2) Yang Y, et al:Exp Ther Med 8:1797, 2014
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10) 宮地良樹,古田福美(編):美容皮膚科学,2版,南山堂,p625, 2009

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1324

印刷版ISSN:0021-4973

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