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文献詳細

雑誌文献

臨床皮膚科72巻1号

2018年01月発行

文献概要

症例報告

C型肝炎を伴った粘液水腫性苔癬の1例

著者: 川本友子1 廣畑彩希1 坂本幸子1 西野洋輔1 池上隆太1

所属機関: 1独立行政法人地域医療推進機構大阪病院皮膚科

ページ範囲:P.23 - P.29

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要約 50歳台,フィリピン人女性.初診の1年前より両手背に瘙痒を伴う皮疹が出現し,徐々に拡大したため当科受診.初診時,顔面,後頸部,上腕伸側,前腕,両手背に弾性硬の結節,局面が多発し,後頸部から背部にかけ浮腫状の皮膚硬化がみられた.血液検査ではC型肝炎ウイルス抗体陽性,肝酵素上昇,血清ヒアルロン酸値の上昇を認めた.病理組織学的所見と併せ粘液水腫性苔癬と診断した.副腎皮質ホルモン外用薬の外用,抗ヒスタミン薬の内服を行ったが効果に乏しく,C型肝炎に対し,レジパスビル/ソホスビル配合錠の内服を開始したところ,3週後にはHCV-RNAは検出感度以下となり,皮膚症状と瘙痒感は徐々に改善した.治療抵抗性の粘液水腫性苔癬ではC型肝炎を検索し,積極的な治療を考慮するべきである.

参考文献

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掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1324

印刷版ISSN:0021-4973

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